弊社では半年ほど前にエンジニアとして新入社員が入社したが、定着せずに辞めてしまう結果となった。
理由は、仕事の難易度が高く続けていく自信がないから、とのことだった。
長期にわたって戦力になることを見込んでの採用だったので、この結果は失敗である。

ここでの「失敗」とは、彼が辞めてしまったことではない。
彼を採用したことである。
この失敗の原因や取れる対策について、ぼくの考えを以下に述べたいと思う。
まず前提として、弊社ではインターンからの採用を行っている。
インターン期間にエンジニアとしての適性があるか、弊社に合っているかなどを判断し、採用に至る。
そのように数ヶ月の試用期間があったにも関わらず、このような残念な結果になってしまった。

結論を言うと彼が入社してしまったのは、途中で会社を辞めるインセンティブ(積極的な動機)がなかったからである。
沖縄でのインターンの求人は、時給1000円と沖縄では高給、社員登用もあり、しかも未経験OKと、かなり魅力的な条件で出していた。
プログラミングを学べる上にお金もらえて、うまく行けば正社員になれる、優秀なエンジニアから直に技術を学べる、こんな求人は沖縄にはなかなか無いだろう。
このような高待遇では、自分に適性がないとうすうす気づいていても、積極的に会社を辞めるインセンティブが働きにくい。
その結果、ずるずると会社に居続け、辞めるべきタイミングより遥か後になってから、辞めることとなってしまったのである。
 
これらは推論でしかないが、おそらく当たっているだろうと思う。
なぜならぼく自身がそうすると思ったからだ。
適性がないと気づいていても、いつかできるようになるんじゃないかとか、適性がなかったら辞めればいいんだからとりあえず居続けよう、といった甘い考えを持つだろう。

以上からわかる通り、弊社の採用方法の場合、採用される側の人間は辞めるインセンティブが働きにくい。
ゆえに採用する側は、その人に本当に適性があるか、戦力となりうる人材なのかを精査しなければならない。

どうすればそれを判断できるか。
まあ色々あると思うが、例えばその人の表情を見るのは自分的には重要だ。
新しい技術を教えたとき、好奇心を示しているか、覚えることの多さに辟易しているか。
プログラミングの問題を出したとき、ワクワクしているか、難しそうだと不安に思っているか。
こういった些細な部分も意外と参考になる。

あとは、面接のときにパズルやゲームが好きかどうか聞いてみるとか。
プログラミングができる人はだいたいみんなパズルとかゲームが好きな人が多い。

その人に適性があるかどうかは、本人が何も言わずとも様々な部分から判断できる。
まあ一番良いのは本人から直接言ってもらうことだが。 

結局何が言いたいかというと、適性を判断する材料はたくさんある、ということだ。
エンジニアは適性がなければ努力してもどうにもならない。
彼のケースのようにお互いが残念な結果とならないように、適性を早期に見極めることは非常に重要である。
もしくは、採用の形態を変えてしまうとか。適性がありかつ今の会社に不満を感じている人材を雇う、つまり中途採用が弊社には一番向いていると思う。それについては別の記事で詳しく述べたいと思う。

もちろん社員として働いてもらう上では責任感やコスト意識などの適性も重要だが、ここではエンジニアとしての適性にしぼって考えを述べた。
文字に起こすにはなかなか心苦しい内容ではあったが、同じ轍を踏まないための礎としてここに記すこととした。
次回は、学生インターン生の採用について述べたいと思う。